
こんにちは。
本日10月16日(木)、0:00に櫻坂46の13thシングル表題曲、「Unhappy birthday構文」のミュージックビデオが公開され、楽曲の配信も開始されましたね。
筆者も0:00のYouTubeのMVプレミア公開をリアルタイムで視聴していましたが、発売2週間を切ってもこれまで謎に包まれていた「Unhappy birthday構文」は、衝撃的な作品となっていました。
今回は、そんな「Unhappy birthday構文」のMVを見た感想や考察について書いていきます。
MVを再生すると、プレゼントボックスのような箱の中に仰向けになって横になっているセンターの村井優が映し出される。
それはまるで、棺桶の中で眠りについているようにも見える。

画面が切り替わると、しゃがんでいるメンバーの中一人立ち上がり舞う村井の姿と共に、ピアノが特徴的なイントロが流れると、
「Just another day, what to do with my life?」
と村井が呟くと曲が始まる。
翻訳すると、「また同じ一日だ。自分の人生、どうすればいいんだろう?」という意味になる。
この曲の主人公は、同じように繰り返す毎日に嫌気が差し、人生に不安を抱えているのだろうか。
Aメロに入ると、メンバーが大きな円卓を囲み食事を楽しんでいるシーンが映し出される。
センター村井を主役とした誕生日パーティーという設定だろう。
「僕が望んで生まれたんじゃない親の事情だろう 何の因果でこんな世に産み落とされたか」
という歌詞から、この曲の主人公が人生に絶望しているのが感じられる。
櫻坂46の楽曲の主人公でここまで人生に絶望を抱えている主人公は初めてではないだろうかと思うが、どこか懐かしさを感じたのは前身の欅坂46がそういった絶望感を持った「僕」という主人公の作品(楽曲)をつくってきていたからだろう。
また、
「自称親友の皆様が自己満のサプライズで テンプレのケーキのロウソクの火を消せと言う」
といった皮肉全開の歌詞には、作詞の秋元康の筆も絶好調に乗っているのが感じられる。
サビでは、所々にロウソクが立てられた誕生日ケーキを思わせるような真っ赤な舞台に乗ったメンバーが、全身を使ったダイナミックなダンスパフォーマンスで魅せる。
「無理に作った笑顔はぎこちない」
「誰かと繋がりが欲しいだけの交換会さ」
これらの歌詞から、自分を心からお祝いしていないのではないかという疑念や誕生日会への嫌悪感から、それが毎年・世界で毎日繰り返される人生に絶望していることが表現されている。
サビ終わりの間奏ではメンバーの目元のカットが高速で流れ、切り替わると曲のリズムに合わせて正面を向いてメンバーが笑みを浮かべたかと思えば、急に真顔になって首をひねる動きを見せる。
急速に変化する表情には不気味さを感じさせられる。

中央にいる村井は表情を変えず正面を見つめているが、主役の村井1人対お祝いする他のメンバーという構図となっている。
2番Bメロでは
「他の誰の誕生日でも 何も感動なんかしないよ」
と森田ひかるが歌い上げる。
サビなどの高音と比べ低音のパートとなるが、声質も相まって良い味を出しており楽曲により奥深さを出している。
2番のサビでは、メンバーが先程まで誕生日パーティーで囲んでいた円卓の上に乗り踊り上げる。
そこにはもう、笑顔は存在しない。
間奏に入ると、雪の降り積もる荒野のようなところで踊るメンバーの元へ迷い込む村井がメンバーに押され、右往左往するうちに隣を見ながらメンバーと肩を組み飛び跳ね同じ振り付けで踊る。
その後、村井の元へメンバーが駆け寄って取り囲みお祝いするかのごとく笑顔を向けるが、それを向けられた村井の顔は笑っていなかった。
「生きていてよかったといつか思えるのかな? 世界中の誕生日に共感できる奴はいるだろう」
綺麗な三回転ターンを決めると、舞台は森の中と思わしき広場へ。
全員で統率の取れた振り付けと、鬼気迫る表情で圧巻のダンスを魅せる。
「Unhappy birthday to me. バースデーソングを歌うな」
「Unhappy birthday to me. クラッカーなんか鳴らすな」
繰り返す中で、転調も加わり音が高くなる。
「Unhappy birthday to me. もしも自分の意志で」
「Unhappy birthday to me. 生まれ変われるんなら」
なんとここで、さらに転調しまた音が高くなった!この瞬間、この曲の作曲家がナスカさんであることを確信すると共に、手は思わずガッツポーズをしていた。
「Unhappy birthday to me. 僕は僕に言いたい」
「Happy birthday to me.」
ここまで「Unhappy birthday to me.」と言い続けてきた主人公が最後の一行で「Happy birthday to me.」と自分を肯定し楽曲を締めくくる。
最後の転調と共にこのフレーズを聴いて衝撃を受け、鳥肌が立った昨晩のこの瞬間はずっと忘れることはないだろう。
アウトロでは、真っ赤な衣装に身を包んだ村井が周りのメンバーに見守られる中舞台上で舞い、堂々たるソロダンスを披露し幕を閉じる。
「Unhappy birthday to me. 僕は僕に言いたい」
「Happy birthday to me.」
という歌詞から、人生に絶望していた「僕」が、最後には自分で自分を祝う(=自分の意志で生きることを誓う)ことが読み取れる。
そのフレーズでの村井の、天に手を伸ばし人生に絶望し苦しみながらも自分を肯定せんと祈りもがく表情には心震わされた。

「Unhappy birthday構文」は解禁からBuddies(櫻坂ファンの呼称)の評判も良く、MVは公開から1日で再生回数50万回を突破している。
先にも少し触れたが、人生に絶望感を抱えた「僕」が主人公の楽曲は、かつてそれを体現・表現し我々に届けてくれた欅坂46を彷彿とさせる。
当時欅坂46を応援していたファンは「Unhappy birthday構文」を聴いて思うところがあったのではないだろうか。
先日、櫻坂46は欅坂46から改名して5年が経った。
改名当時メンバーは櫻坂46の色が何なのか分からないまま、時には欅坂46と比較されながらも自分達の色を模索しながら活動を続けてきた。
地道に積み上げていった結果、櫻坂46は今やドームで満員の景色が見られるくらい、たくさんの人に愛され応援されるグループとなっている。
櫻坂46が自分達の色を見つけたと言えど、もちろん欅坂時代から培ったものも時には継承され、今の櫻坂に活かされている部分はたくさんある。
しかし、新しく生まれ変わることができた櫻坂が、なぜ今「僕」を主人公とした曲を再度届けるのかについても考えずにはいられないが、今だからこそ届けることができたのではないかとも思う。
自分達の色を見つけ、生まれ変わることができた今だからこそ、「僕」の楽曲を表現することで「欅坂46の曲」ではなく「櫻坂46の曲」として受け取ってもらうことができる。
欅坂46が表現していたテーマでもあるものの、「Unhappy birthday構文」は筆者も間違いなく「櫻坂46の曲」であると思うのだ。
そんな結成5周年の節目を迎えた櫻坂46の13thシングル 「Unhappy birthday構文」をこれからたくさん聴いて愛していきたいと思う。

素晴らしい楽曲を届けてくれたチーム櫻坂に多大なる敬意と感謝を。
終わり